小説【あずかりやさん】の内容や評価を簡単に紹介!ネタバレなし

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Adorable British breed Cat White color with Blue eyes, Sitting and looking in Camera on Isolated Black Background, front view

「あずかりや」という店

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stack of six books in colored hard covers on the table. reading, literature, education. space for text on the left.

「一日百円で何でも預かります。」

このキャッチコピーにはどんな人たちが吸い寄せられて来るのでしょうか?

このような張り紙がしているお店には「あずかりや」と書いてあります。

「あずかりや」とは一体どんな商売なのか、道ゆく人も話の中で疑問を抱くところです。

タイトルにもなっている「あずかりや」

実際にどんな仕事なのか、この本と出会った時にわかる事実や事件、それを読んだ後、きっと優しい気持ちになれるでしょう。

では、その本の内容を少し紹介してみたいと思います。

作者紹介

作者・大山淳子

ポプラ社

2015年初版

大山淳子

1961年生まれの日本の小説家

デビュー作は猫弁シリーズといわれる猫弁と透明人間など数本

あずかりやさんは本作品のほか数本出版されている。シリーズ化。

アマゾン

表紙が可愛いです(アマゾンより)

2018年には「猫は抱くもの」という作品で映像化されている作品もあるそうです。

大人が読んでも暖かくなるようなお話です

一般書籍扱いではあるものの、実際には児童文学に属するジャンルのようです。

ですが、大人が読んでも何かあったかくなるようなそんな気持ちのいいお話しが各種短編で入っていて、とても読みやすい形式です。

大人も子供も楽しめる本ということになりますね。

この話は舞台は東京の下町、実際にその場に行けば本当に商店街があり、小さなお店が立ち並んでいるような、現実味のある世界です。

なぜ大人も受け入れられるのかという一端にはこの舞台になっている場所なども関係しているのかもしれないと思います(⌒▽⌒)

暖簾や硝子ケース、猫の視点で語られる物語

どんな本でもそうですが読者が本を手に取るときに一番に気になるのはまずはタイトルだと私は思います。

この本もまず気になったのはこのタイトルで、今までに聞いたこともない職業であるとともにその店でいったい何が売られているのだろうと読み手の興味を引く作品だと思います。

預けられたものの中には親の離婚届や弱った猫、訳ありの本などその人にとって今、手元において置けないもの、または隠してしまいたい物などが出て来ます。

離婚届は離婚して欲しくない小学生が、家から隠すつもりで、小学生ながらの安易な考えで離婚が阻止されるところは何か愛のようなものを感じますね。

私なら預けるものがあるだろうかと自分に置き換えると楽しくなりました。

実際に預かる仕事とは質屋のようなものです。

でもここでは何でも百円だし、預かるものに値打ちは付加していませんから、こんな店で儲かるのかしらと、大人はみんな思うはず。

作品の中の大人もそう思っています。

口コミでやって来る人たちの事情がごく身近にありそうなところも親しみのある所です。

「何が預けられても動じない。」

文章から物静かな冷静な人間であることが見て取れます。

主人公なのに店主とのやりとりは実に簡潔で、回りを取り囲む店の中のアイテム達が語り部となり店主の様子を伝えています。

これがまた、ファンタジーの要素が加えられて、頭の中で店の様子が浮かぶように説明されています。

ここが魅力!目の見えない店主の素敵な生き方

物語はその一軒のお店にやって来るお客様と店主のやりとり、お客の預かるものに対するエピソードなどを繰り広げて短編に仕上がっています。

一つ一つのお話はとても簡単で短いので飽きることなく読める作品と言えるでしょう。

東京の下町に一軒のお店があります。

「一日百円でなんでもあずかります」と書いてあるそのお店には様々な事情を抱えたお客様が来るようです。

1ヶ月なら3000円、十日なら1000円、というように。

2週間取りに来ない場合は品物は店主のものになると言うシステムです。

お店には子どもからお年寄りまで色々な人がやってきます。

何日もこない日もあれば何人も来る日もあります。

ここでまず注目すべきところは、この店主、実は目が見えないのです。目が見えないのに誰が、何を、いつ持って来たのかを完全に把握していると言う不思議な人のようです。

実際の判別は匂いや言葉遣い、声などで記憶しているようですが、それにしてもこの膨大な品物を記憶しているのは特殊能力と思わざるおえないところです。

客とのやりとりを、店の中の暖簾や、ガラスケースや住み着いている猫などの視点で繰り広げらげられていき、またその手法が素敵な物語に仕上がっています。

「私はこの店ののれんです」という言葉で幕が開きます

お話ですが、そもそも始まりは何かに追われている犯人が飛び込んだこの家で犯罪に繋がる「何か」を預けたところからはじまります。

暖簾には「さとう」と書いてあります。これはもともとここがお菓子やさんだったのですが、母親が亡くなり、職人の父親も出て行ってしまったので、お菓子やと言う職業はたたんだ模様。

残された息子である男性はこの事件をきっかけに「あずかりや」を始めることとなったのでした。

気になる、この最初の預かり物は短編の最後に繋がって行き、短編なのに全ての話はどこか前の話にリンクして居ます。

犯罪に繋がるものって何でしょう?それにしても普通の人たちなら、いきなりおしかけてきた、いわば強盗のような人物を見たら、驚いて、逃げようとして、大慌てでしょうけれど、目が見えないことが幸いしてなのかこの店主、全く動じないのです(⌒▽⌒)

私はこの本を読んでいくうちに物静かで、冷静で、きっとお顔も素敵な(違いないと私は思いますが)店主の魅力に引き込まれて行きました。

この物語って実は預けたものの内容よりもそれを受け取っていく店主の素敵さなのかなとも。( ^ω^ )

また、語り部は暖簾から、ガラスケース。預けられた自転車などと変化して行き、この辺りはファンタジーの要素がありますね。

嫌味な感じは無く、それはまた大人の私たちにクスリと笑わせてくれるスパイスとなって居ます。

三省堂ツイッターより引用

このようなディスプレイされた書店(三省堂書店Twitterより)

あずかりやさんの預るものたちとは?

作者の紡ぐ物語には、悲しいような懐かしいような思い出の詰まった物の預りもあれば、弱ったネコ、捨てたい過去など奇妙なものまで多種多様にやってきます。

途中から頻繁に登場する「社長」と言う名前をもらった猫は、弱って居たので一度息を引き取りました。その後店主が蘇生させ預かって居ます

人に聞かれると「預かり物です」と最後まで答えているところもちょっとかっこいいかな。

この本の中で

「店主は何でも受け入れます。それが仕事ですから」

という言葉がありますが、「何でも」の中には物だけでなく。その人の人生や気持ちも一緒に預かるという意味があるのですよね。

ある意味引き受けるということはとても重いものなのかもしれません。

面白そうですけどちょっと怖い仕事でもあります。

高評価と「星の王子さま」

私がこれだけ感動したけれど他の人はどう思っているのかとても気なりましたがやはりこの本に対する評価は全て素晴らしいということばかり。

中でも、特に多いのは日常の何気ないことばかりなのに、何故か胸に残る言葉の数々。

読み手の知っている話や、経験しそうな身近な話だからなのですね。

有名な「星の王子様の」「大切なことは目に見えない」を引用している部分があります。

訳ありの本を預けた女性の章ですが、この訳ありとは子供の頃につい図書館から盗んでしまったから。

図書館で数冊並んでいたその本を、読みたかったのかどうか本人の記憶でもあまりはっきりしません。

でもこれだけあれば一冊くらいと言う気持ちで盗んでしまうのです。

いや、正確には図書館なので借りればよかったのに、この子供の頃の衝動的な行為が後々彼女の心をいつまでも悩ませたようでした。

後ろめたい心で手に入れたものはついに読まれません。

子供の彼女はこの本をあずかりやに預けます。

そして十七年、本が気になった彼女は再び店を訪ねると、覚えていた店主に唖然とする。

そのまま本は店主のものとなり、でも彼女はまた新しく「星の王子様」を買うのでした。

星の王子様の話は大勢の人が知って居て、その言葉も知られている部分があります。

あえてそれを引用し、本当に大切なものは何?と問いかける、

「大切なことは目に見えない」と教えてくれた本、手にとって、ここで彼女が呟きます

「店主は目が見えない分、大切なことばかり見えているのかしら?」

大切なものは一体何でしょう?

自分にも問いかけたい課題です。

そんな憎いくらいに言葉の魔法に取り憑かれていく作品だからこその高評価だと思います。

私がこの本を勧める理由

本の感想や読み手の気持ちは人の数に比例して居て、色々なものがあるとおもいます。

私が良いと思って居ても、ネットの評判はそうでもなかったように

この本に関しては、驚くほど書評というか、読み手の心掴み、ネガティブな意見を見つけることがなかった作品でした。

これはとても魅力的ではありませんか?(⌒▽⌒)

読後感、さらに読んでいるいままさにその瞬間にまで、心を鷲掴みにして、次の話、次の話へと誘う作品はそう巡り合えないものです。

本作品はその後のあずかりやさんの生活を綴った続編がその後に公開され、同じくかなりの高評価を得ているようです。

悲しいことにあったとき。人生に詰まったときにこんなお店が欲しいと読み手はきっと思っている事でしょう

ファンタジー好きなら必読すべき作品はもちろんのこと

生きてきた道のりを振り返りたくなる大人達も是非読んで欲しい作品です。

忘れて居た何かを思い出して涙する。

そんな想いも私たちには必要なのでしょう。

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